津市久居尾崎塾のブログ

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GWが終わった 「続」平均点の謎

GWが終わった。

各中学の3年生からは修学旅行がまもなく始まることもあって、かなりワクワクした気分を感じる。昨年の3年生は学校によって行き先が県内から県外とバラバラだったが、今年は在塾生は全員県外に行けるそう。

この学年は中学入学と同時期にコロナ禍で一斉休校を余儀なくされた。

祭りやイベントは自粛が多く、貴重な3年間、様々な形で我慢してきたと思う。

さらには入学以来、給食の時以外はマスクを外せないためマスク着用時しか顔の分からない同級生が多いのだそう。

そんな学年の修学旅行。思い切り楽しんでもらいたい。

 

 

久居中へ前回の平均点についての疑問を問い合わせたところ、2年生担当の某先生から、「マル(平均点が合っていても)でもペケ(合っていなくても)必ず2年生の生徒全員に伝える」と約束をしてもらえた。

 

とりあえず良かった。

学年の約8割が平均以下であれば、結果が出た際に落ち込んだ生徒が多かったと思う。

一度3月にある生徒は先生に確認したが、その際には即答で「この平均点で合っている」と話していたそう。

今日話した先生は「業者テストのため、順位等は業者が出している」と話していたが、誰か結果に疑問を持たなかったのか不思議だ。

三重大数学教育コースに在籍している講師のYにはこんな計算までしてもらった。

平均

世間は暗いニュースが多い。

塾では生徒たちが自分たちの将来にワクワクを感じられるような授業をしていきたい。

メグ

 

平均点の謎

 

GWで自習対応中に久しぶりにブログを書き始めた。

10数人が子供の日に、勉強に励んでいる。

 

今までと比べ、単元を進めるスピードを上げて2か月がたった。

中2&中3は余裕でこなしており、ほとんどの生徒が深く理解しているように見受けられる。

中1は3月にスタートした当初、初めて体験する早いペースに戸惑う生徒もいたが、2か月の間で見違えるように早いペースでこなせるようになってきた生徒が多い。

まだ若干名、ついていくのに大変な思いをしている生徒もいるが、自習時間を利用して何とか頑張っている。

久居中では中間テストがなくなり、期末テストは昨年に引き続き、順位を出さない方針だそう。

順位が分かれば、自分の立ち位置が分かり、次回への糧となる(生徒が多い)から、順位は出すべきだと思う。

平均点さえも分からないようなテストでは、何の参考にもならないと思う。

さらには前回久居中1年の学年末試験の平均は、クラスの8割以上が平均点以下だったと生徒が話していた。よほど中央値と平均値が違うようなテストだったのかと、その時は考えた。例えば上位のが500点に近い点数を取る一方で半数ほどの生徒がよほど低い点数だったのか。ちなみに数学の平均は87,理科は85点等々で合計372点。

しかしこの点数はかなり眉唾ものだ。

平均点とほぼ同じ生徒は約220人(受けた人数によって数名上下するかも)中、45番程度、上位約2割(津西や松阪を狙えるイメージ)だった。

確かに生徒の話していた通り、約8割の生徒は平均点以下になる。

平均点と子供の点数を見比べて青くなった保護者は多いのではないだろうか。

ちなみに約300点の生徒で上位40%の順位、約410点で上位10%、約450点で上位3%以内だった。

本当は平均300点もいっていないのではなかろうかと思う。

週が明けたら学校に連絡して確認してみたい。

 

久しぶりに書いたので3月末の話になってしまった。更新頻度をあげるぞ!

2022年度塾の方針 中学生の近況

今年度から尾崎塾は基本的に、四日市高校・鈴鹿高専津高校・津西高校・津東高校・松阪高校・高田高校・三重高校を目指す塾になる。

※久居高校や津商業でトップを狙う生徒も歓迎

今までよりも授業内容は濃くなり、生徒1人1人がこなす勉強密度は増える。

さっそくこの冬期講習からは教材を変更した。しっかり意識して取り組まないと解けない問題が多い良教材だ。各自は自習時間を増やしたり、授業を撮影した動画を参考にしたりしながら、しっかりと解き終えてほしい。そうすれば必ず良い結果につながる。

 

授業では受験勉強以外の題材を今よりもっと取り上げ、深める。

結局、楽しく生きていくために勉強をしていると思う。

そうでなければ勉強に、塾に、進学校に、東大に、何の意味があるのか。

せっかく世間的に良いと言われる高校・大学に行き、良いとされる就職をしたが楽しんでいない人は少なくない。一方で、学歴はなくとも幸せに楽しく豊かに暮らしている人も多い。

そして本来、勉強は面白い。学ぶことは喜びだ。

乳幼児期の自分の子供たちをみても心底思う。どこで嫌になる人が多いのか。

もっと本質的に楽しみながら勉強できないか。

このあたりの話を塾で生徒とともに話し合い、考えていきたい。

将来の自分のイメージを少しずつ形にしていき、そこに近づけるように行動する。

その一助になれば最高だ。

さらに、2月以降、毎回の授業後には授業アンケートも実施する。楽しみにしてて。

 

上記は以前から考えていたこともあるが、12月に訪問した石川県加賀市の塾、シップスさんの影響も大きい。アンケートはそのまんま真似させてもらった。

シップスの久保田塾長はとても魅力的な人だった。授業を見学させてもらい、夜は奥様の運転で、おそらく北陸イチおしゃれな日本酒バーに連れて行ってもらい、面白い話を交えつつ様々なことを語り合った。俺はあの夜、個人塾の経営者として、子供を持つ親として、何よりこの時代を生きる人間として、多くのことを学んだと思う。ありがとうございました。

 

2021年春以降

個人的には7月は怒涛、8月終盤には驚愕があり、9月には耳を疑うような出来事があった。しかし、日々は悠然と過ぎていく。

塾生達は日々頑張っている。

 

1年生

尾崎塾に来ている中学4校すべての学校で学年1桁の順位をとった。

今までにないほど、テスト前以外でも自習に来る生徒が多く、質問も多い。

休み明けテストも、きっと多くの生徒が自己ベストを更新するだろう。とても楽しみだ。

 

2年生

小学生から来ている生徒が初めて久居東中で学年1位をとった。

別の2年生から通塾し始めた生徒は初めて学年1桁になった。

今年度、2年生で久居東中の1桁に入った生徒は5人目だ。

そして1年生の時には学年後半の順位だった生徒が定期テストの回を重ねるごとに順位を上げ、今では余裕で真ん中より上位で安定している。かっこえー!

目標を決めて、やる。分からない箇所は質問をする。やっていることは至ってシンプルだ。

一方、部活等でなかなか勉強時間が確保できず、成績が振るわない生徒もいる。しかし、高校受験は待ってくれない。三重県の入試制度は内申点が直接合否に係わる制度だ。

この休み明けから気持ちを入れなおして、優先事項を意識して頑張ってほしい。

 

3年生

3月にやってきた2人の転塾者の活躍が目立っている。

久居東中5位が自己ベストだった生徒は学年2位を取り、

同じく久居東中4位が自己ベストだった生徒は、

最難関(全員が一番頑張る)の2学期末で5教科&9教科両方1位の快挙を達成した。

さらに冬休みから一気にギアを上げている生徒も目立つ。冬期講習から受験用の過去問を始めているが、たった2週間で見違えるほど点数が上がった生徒が多い。

一生懸命、冬休みに頑張った成果が出始めている。

 

ここから先は自分との戦いになる。日々、自分の苦手と向き合って、克服する。

全員が第一志望に合格してほしい。

 

14年越しの伊坂幸太郎ブーム

サラリーマン時代に上司のMさんから貸してもらった『ゴールデンスランバー』で衝撃を受けた作家。『ゴールデンスランバー』は塾を始めてから購入して、何人もの生徒に貸し出してきた。ただしかし、なぜか他の作品を読まずに来た。

が、12月頃からkindleで読み始めたら止まらなくなっている。昨日までに『グラスホッパー』『マリアビートル』『ペッパーズゴースト』『AX』『ラッシュライフ』『モダンタイムス』『陽気なギャングは三つ数えろ』と読んできた。断然おすすめは『マリアビートル』。マリアビートルは教室にも置きたいので文庫でも購入した。興味のある人は読んでおくれ。ちなみに強烈な中学生が出てくるよ。マリアビートルが原作になった映画が今年ハリウッドで公開されるらしい。伊坂氏すげー。

www.amazon.co.jp

 

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夏期講習開始 新指導要領 三体

全員が第一志望に合格した桜満開の春を超えて、あっという間に夏がやってきた。

 

1学期を終えて

1学期は指導要領の改訂に伴った『各中学での指導の違い』に戸惑いを受けた。

特に久居中は他の中学と比して大きく変わっていた。

まずは中間試験がなかったので、今年から導入された単元テストと期末試験の比重が重かったこと。そして期末試験は全学年ともに応用が中心となっており、高得点を取るのが非常に難しかった事。さらには平均点や順位を出さないため、生徒がどれくらい自分はできているのか判断する材料がなかったこと。

いずれも中学生の今後の学習にとって良い影響を与えるのか甚だ疑問だ。

ましてや中学校の取り組むべき最重要事項(と思う)である、生徒の自己肯定感を育むという観点で見れば失敗していると感じる。

例えば中学1年の初めての定期テストで、理科や社会は満点の(100点満点のテストは数理のみ)半分も取れていない生徒が大半だったそうだ。

理科の平均は100点満点の30点、社会は非公表だが70点満点中おそらく35点もないらしい。塾生の中にはそれぞれ満点やそれに近い点数の生徒もいたが、中学生になって初めての定期テストでこのような平均点では自信を無くした1年生は多いだろう。

指導要領に沿った指導の遂行に主が置かれ、生徒の自己肯定感の成長は後回しになっている印象を受けている。

久居中の先生には2学期以降は何かしらの対応をしてほしいと切に願う。

ちなみに順位が出た東中、南郊中、西中全てで学年1桁が出ている。

そしてほとんどの塾生が中間テストに比べ、期末テストで順位を上げていた。

※追記 全国的にも今回の指導要領変更は不安や批判の声が上がっている様子。

news.yahoo.co.jp

当該記事は7/24現在、中学生保護者達のコメントが400件以上ついているが、ほぼ不安や批判の意見だ。定期テストで100点や、平均点より40点以上高い点数を取ったが評価は5段階の4だった等、納得のいかない様子が書き込まれている。

 

指導要領改訂への対策

当塾としては先ずは例年通りのインプット→アウトプットを徹底しつつ、今年度からは(手探りではあるが)知識の使い方・活用の方法を意識して指導していく。

具体的には、先ず夏休みのうちに作文を書かせ添削していく予定だ。

あるテーマを読み理解した上で、そのテーマに対して自分の意見を簡潔にまとめる練習をさせていこうと考えている。

久居中の中間テストで顕著だったのは『読解力&表現力』の重視だ。

国語の作文の多さは言うに及ばず、理科も社会も明らかに『読解力&表現力』が求められていた。

読解力&表現力は正直、短距離走の得手不得手のように、ある程度のセンスが試される。

伸ばすのは時間がかかる能力ではあるが、これらが強くなれば、受験だけでなく就職や日々のコミュニケーション等、様々な場面で活用できる。

 

中1・2夏期講習

 中1はもちろんだが、昨年は実施できていない中2も初めてとなる夏期講習。

英語と数学の総復習→2学期の予習を徹底していく。

早い生徒は英・数の追加や、他の強化にも取り組んでいく。

2学期の学校の授業がより分かりやすく、楽しくなるようやっていこう。

中3夏期講習

今年の夏も中3は英語と数学の強化と、理科社会の総復習(理社86単元テスト)に取り組んでいる。県大会へ出場する生徒は来月からが本番だ。

皆それぞれの燃える夏を過ごしている。

 

三体

www.amazon.co.jp

年初に購入した『三体』


『世界で最も権威のあるSF作品の再交渉をアジアで初めて受賞』

オバマ前大統領やFacebookのマークザッカーバーグが推薦』

ここ数年の長編小説で1番の話題作であろうこの作品。

文化大革命からの始まり、ハードボイルド小説さながらの濃厚な描写を堪能しつつ、

「これはSFなのか?」と戸惑いながら読み進むも、受験期になり頓挫。

しばらく放置していたが、7月になり再び最初から読み始めると、気が付けば沼に落ちいった。『応答するな!応答するな!!応答するな!!!』あたりから、まさに沼のようにストーリーへ深く落ち込んでいき、気が付けば寝る間を惜しんで最後まで一気読みだった。合計5冊の長文をうなりながら読んだ。

7月前半、頭の中は半分宇宙に行っていた。読み進むにつれ、夜空がいつもの夜空ではなく、宇宙の一部になっていく感じ。

個人的には2巻の上下が最高&最高(智子(名称ちし※トモコでもある)・面壁者・破壁人なんて言葉を思い出すだけでワクワク)だった。軽いインフルエンザのようなウイルス兵器のシーンもコロナ禍で読むと真実味があった。

もちろん3巻上下も分厚い内容だった。終盤ではAAのキャラクターが1番好きだ。

圧巻のラスト。時の無常。石の力。読み返すごとに発見があるだろう。

作者インタビュー等おっかけられていないが、作者は日本フリークなのだろう。

例えば私が大学時代に読んだ知覧特攻隊のホタルの逸話(脚色はしてあるが)は日本人でも知らない人が多いはず。

物理・化学はもちろん哲学や社会学のSF的考察も大いに楽しめた。物理化学の知識が無い私でも雰囲気で楽しめた。。

 

さらに本作がNETFLIXでドラマ化されるとのこと!!!

japanese.engadget.com

余談

誰かとこの気持ちを分かち合いたいと思いYouTubeで様々な人の三体動画を見ていたら、池袋ウエストゲートパークでお馴染みの石田衣良氏が2人のゲストと話している動画を発見。石田氏の作品は読んだことはなかったが(窪塚洋介主演のドラマは大好物)売れっ子作家の感想を知りたいと思って視聴した。。。。

が、10分で見るのをやめた。本作は題名『三体』の通り、古典的数学の三体問題をベースに『3つの恒星がある星があったとして、、、』が主題だが、石田さんは2つの恒星と勘違いしておられた。そしてゲストの女性は「読みやすくて面白かった」と話していたが、全く理解していない様子だった。あれは誰のための何の動画だったのか。

 

とにかく始まったばかりの夏休み!

中学生でこの『三体』を読み切るのは少しヘビーかもしれないけれど、心の底からお勧めです。中学生だからこそ受けとることができる感動があると思う。そして、これを読み切ることができれば、だいたいの名作や傑作と呼ばれている作品も楽しく読めると思うよ。

部活や勉強そして青春の合間にどうぞ!

ja.wikipedia.org

 

 

私立波乱&後期試験に向けて日々邁進

今年の私立高校受験は波乱であった。

ありがたいことに三重高、高田、伊勢学園ともに専願で受験した生徒は全員合格だった。

波乱は併願組で起こった。

私立高校授業料無償化の影響で併願組の合格は難しくなると言われた昨年。

蓋をあけると(結果的には)それほど影響を感じなかった。

しかし、今年は違っていた。あきらかに三重高校の合格ボーダーが上がっていた。

俗にいう上位進学校志願者以外のほぼすべての生徒は合格できなかった。

他塾の先生達にも確認すると、おおむね同じ感想だった。

確かに津高や津西を第一志望とするような生徒達は特進コースで合格していた。

ただ昨年までは進学校以外の高校を志望する多くの生徒も合格していた。

 

高田高校や鈴鹿高校に関しては例年通りの感触で、後期試験組の全員が滑り止めの確保はできた。ただ来年はどうなるのだろうか。

今年の結果を受け、各中学でも進路指導の際に私立併願試験の危険性を説くようになると、今年以上に専願が増加し、結果的に併願組の受難は大きくなるかもしれない。

 

本日は鈴鹿高専の試験。

塾生たちも今頃は解答用紙と向かい合っていることだろう。

 

一方、塾の教室では、日曜とはいえ学年末試験に挑む中1、2達、

そして後期試験まであと少しの中3達が朝から集中して各自の課題に取り組んでいる。

昨日朝から夕方まで頑張った生徒達が今日も朝から自習に来ている。

津東を前期選抜で合格したRも朝から高校の課題をこなし謎のやる気をみせている。

 

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3期生と飲んだ。成績向上と怒る・叱るの関係

先週、3期生のKとTとオールラウンドの渡辺先生と久居の屋台寿司で飲んだ。

2人とも通常なら大学4年生だが休学して留学をしていたため、現在3年生。

コロナでオンライン授業になっているそうだ。本来ならインターンや夏のイベント等に忙しいはずの3年生だが今年はそうもいかず、それぞれ飲食や引っ越しのアルバイト、母校での部活指導補助等を頑張っている様子だった。今は仏のように叱らない授業をしている(つもり)が、3期生当時はオラオラ言っていたようで、2人は当時の話を面白おかしく語ってくれとても楽しかった。特にMが「宿題をする時間がないんです」と言ったのに対し、俺が「昨日どう過ごしたかタイムスケジュールを書いてみろ」と言って、Mが出した紙を見て激怒した話。「なんで晩御飯3時間も食べとるんね!」

卒塾生たちと、こうやってお酒を飲みに行けるのは塾をやっていて良かったと思える時間の一つだ。ほぼ無名で今よりずっと小さなテナントだった塾に来てくれた3期生までの生徒達、そしてその保護者の皆様に改めて感謝!

店には偶然、結婚式の余興動画(1期生のYが撮ってくれた)を送った1期生のKも夫婦で来店し子供の写真を見せてもらった。時間が過ぎるのはアッという間だと再確認した夜だった。

翌日、怒る・叱ることについて考えた。確かに以前に比べて、怒り・叱らなくなった。感情に任せて「怒る」のと相手の事を考え「叱る」のは違うなどという話は、今回はどうでも良い。いじめと一緒で叱られている側が「怒られている」と感じれば怒りなのだ。ともあれ、怒る・叱るが減ったのは、単純にそれで相手にこちらの真意が伝わったり、相手の行動が変わることは少ないと実感したからだ。声を荒げず、机や椅子を蹴らず、相手を威嚇せずに、純粋に『話をする』ことが一番効果的に思いを伝えられると、今は思う。おそらく今の教育界にとっては常識だと思うことが、塾を始めた当時はよく分からなかった。当時の塾でいやな思いをした人もいただろう。反省。

先日、テストを返された中学1年の生徒が「やばい点数やから家でめっちゃ怒られる」と話しているのを聞いた。詳しく点数を聞くと、例えそれが3年生の1学期末テストだったとしても進学校を十分狙える点数だった。点数はどうであれ、特に家族がテストの点数に対して怒っても効果はないだろう。むしろやる気をなくす弊害のほうが大きいと思う。目標を定め、それを達成できるよう行動をする事が、テストでも部活でも上達するコツだと思う。今回のコロナ明けテストでは、久居中1位等、多くの生徒が自己ベストを出した。一方で大きく点数を下げた生徒も中にはいた。

同じ塾で同じ講師に学んでいても、結果は大きく違う。原因は勉強する意思の違いだと思う。

今回初めて1位だった生徒も自己ベストを出した生徒達も、テスト前意欲に溢れていた。長時間の自習はもちろん、こちらが用意した教材が終わると追加の教材をこなした。中にはかなり頑張ったが思うような結果がでなかった生徒もいた。例年数人はこのような『めっちゃ頑張った後のテスト結果が振るわない』事が起こる。しかし、その次のテストでは自己ベスト等、かなり良い結果を出せる。この9年間で同様の悩みを聞いた生徒は全員、夏時点の志望校かそれより難しい高校に合格している。大げさかもしれないが、挫折からの復活という体験は、今後の人生において大いに活かせる体験となるはずだ。

結局、やればできる、やらないとできないのだ。

やる気があれば生徒は自ら学ぼうとする。分からない箇所を積極的に質問に来るし、次は何をしたらよいかと具体的な質問が来る。

やる気がなければ、例え保護者に言われ塾で自習を長時間しても成績は上がりにくい。質問はしないし、小テストは答えを丸暗記してその場しのぎでやりすごしてしまう生徒が多い。

 

やる気を出させるにはどうしたら良いか?という質問を頂くことが多いが、とても難しい。答えは無限にあるが、その人によって変わるのである意味究極の問題だ。

まずはなりたい人物像を徐々に形成していくことが近道だと考えている。

何でも良いと思う。「金持ちになりたい」「サラリーマンになりたい」「専業主婦になりたい」等々。じゃあ金持ちってどんな仕事している人が多いのかという話や、サラリーマンっていう職業はなく仕事は無限にありしかも増えているという話、専業主婦のリスクの話しとか、とっかかりさえあれば、仕事の話は家庭でも、塾でも、どこでもできるはずだ。そして自分が楽しいと感じるのはどういう時か考えたり、色々な人に会って話を聞いたり、様々な種類の映画を観たり、小説を読んだり、村上龍『14歳のハローワーク』や最近のベストセラー『なぜ僕らは働くのか』を読む等(2冊とも塾にあります)、徐々に未来の理想の自分を作っていけば、今やるべきことが見えてくるかも。

 

自粛期間中に読んだ本の一部

自粛期間中に多くの本を読んだ。少しご紹介。

現実逃避なのか本屋で興味を惹かれるのは小説が多かった。

原田マハはこの期間で初めて読んだ作家だったが、「奇跡の人」「キネマの神様」「楽園のカンバス」「フーテンのマハ」と立て続けに読んだ。

奇跡の人の三味線の音、キネマの神様の市ヶ谷の映画館の空気感、楽園のカンバスのルソーの狭いアパートの部屋。

2か月経ってもそれぞれの本の情景を思いだすことができる。読書は自宅でできる、脳の旅だ。

そもそも本屋でみかけた原田マハの著作を手に取ったのは、何かの記事で原田宗典の妹だと知っていたからだ。

中学時代は原田宗典の愛読者だった。「東京困惑日誌」等のエッセーに笑いつつ、「スメル男」では著者の想像力に驚嘆しながらワクワク読んだ。思春期特有の悩みや喜びをおもしろおかしく描く作品が多く、今でも好きな作家の一人だ。

そんな彼は覚せい剤で逮捕された後、「メメントモリ」で復帰した。メメントモリは、精神の底をさまよいながら、ついには逮捕されるまでの経緯、そして復帰の光がみえるまでを私小説風に描いている。

小説以外では、例えば瀧本哲史の「2020年6月30日にまたここで会おう」だ。

著者は2019年に病のため47歳で亡くなった。数年前に初めて読んだ「君に友達はいらない」からの愛読者だった私は少なからずショックを受けた。しかし作家は、亡くなっても作品は残る。この本は2012年に東大の伊藤謝恩ホールでの公演をまとめたものだ。

学生に向けての公演ではあるが、学生のみならず全ての働く人のやる気に火をつける、素晴らしい内容だった。主人公はあなた自身だよという話。

最後に紹介するのは上出遼平の「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。

もともとはテレビ東京で放映していた番組。著者は同番組のプロデューサーで、番組だけでは伝えきれないとの思いからこの本を執筆したのだろう。

有名人や有名番組が出す本にありがちな、大きな文字で行間も内容もスッカスカの本の対極に位置する、次郎系もびっくりな濃厚な1冊だった。

テーマは表題の通り「世界各地で様々な人と一緒に飯を食べる」ということにつきるのだが、リベリアの墓地で暮らす元少年兵達の現在の境遇や少年兵になった経緯、そして同地区で暮らす売春婦の晩御飯時にみせる優しさ、エボラ出血熱から生還した女性の食事時のつぶやき、ケニアのごみ山で暮らす青年の描写、ロシアの新興宗教団体の空気感、どこをとってもズシンと心を動かされる内容だった。

善悪は人によっても、境遇によっても、時代によっても変化しうるという、私が普段の生活で意識する事の少なくなった当たり前の事実を淡々と描写しており、うなりながら読んだ。