津市久居尾崎塾のブログ

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中1ギャップをやっつけろ

長い自粛期間を経て、初めての試験が明日で1校を除きすべての中学で終了する。

Zoomの授業を実施してきた自粛期間後に教室で振り返りのテストを実施すると、自粛期間前と比べて顕著に生徒間で学力差が生まれていた。学年が下がるに比例してその差は大きく、中1は半数ほどが自粛期間前よりも理解度が落ちていた。

自粛期間明けの6月は多くの時間を復習に費やした。特に中1には定期テスト後に勉強面での「中1ギャップ※1」が起こらないように注意を払った。けれど塾での勉強そのものがすでに中1生の心に「ギャップ」を生み出してしまっていたのかもしれない。

英語のクリアテストでなかなか合格できずにいた中1の生徒が「こんなに(多くの英単語を)本当に覚えやないかんのですか?」つぶやいた。

 

「覚えやないかんのさ。たしかに英語を始めたばっかりで今は覚えるんに時間がかかってたいへんかもしれんけど、だんだんパターンみたいなんが身についてきて、覚えるん早くなるで」というような回答をしたが、真意を説明できていなかったと思うのでここに書いておく。

中学校では授業が終わると多くの生徒は部活に参加し、敬語を用いた「先輩」とのコミュニケーションが発生する。授業だけでもしんどいのに部活に人間関係etcと、心も体も小学校と比べ格段に忙しくなる。

一方で現状の中学校の定期テストは暗記が大半を占めている。高い点数を取るため、というより平均点を取るためには、小学生の時に暗記してきた何倍もの量の暗記が必要になる。その量をテスト前に一気に覚えるのはとても難しい。

だからこの塾ではできるだけ少しずつ覚えるために小テストを実施し、テスト前に負担にならないようにしている。

毎回の小テストをクリアしていけば、テスト前にはテスト範囲の大部分が一度は覚えた状態になっている。テストで良い結果を出しやすい準備ができる。そしてテストで思うような結果がでれば、やってきた事に自信が付き、自己肯定感につながる。

順位が分かる中学校のテストは、良くない結果が出た場合、多くの1年生は傷つく。たかがテストだけれど。1度目のテストでうまくいかなかったときに、「次は頑張るぞ!」とやる気の出せる子供なら何の心配もない。頑張ればよいのだから。

しかし、中には「ぼくには勉強は無理だ」と思ってしまう生徒がいる。

残り約3年間ある学校生活(勉強面)が楽しめなくなってしまうのはもったいない。

たかが1度のテストで。

人間は、生まれつき足の速い人、力が強い人、視力が良い人、リーダーシップがある人、味覚が優れている人、話をしっかり聞いて良い判断を下せる人、等々、多種多様である。先に挙げた例はすべて古代であれば大いに活躍していたであろう能力だ。

そんな中、大部分が学力(しかも暗記中心)だけで、その子がどういった人間かという判断がなされる中学校というは、思春期の子供を、混沌としたグローバル社会で幸福を追求して生きていけるよう育成する機関として未完成だ。

ただこのシステムをあなた(生徒)が中学校在学中に『個人』として様々な能力を多面的に評価するシステムに変えるのは、ほぼ不可能だ。

ちなみに、先に挙げた能力の例は、飛躍的に伸ばすのは(可能かもしれないが)困難なものだ。

しかし!中学レベルの勉強は正しい方法でやれば、やるだけ学力が上がる。

たかが勉強で、人生において特別な時間になるべきワクワクの3年間にブレーキをかけるのはもったいない。

だから、英単語のスペルを覚えよう!

と伝えたかった。おおげさではなくマジで。以上、まじめな話でした。

※中1ギャップとは 引用benesse 

中1ギャップとは小学生が新中1生となったときに、学校生活や授業のやり方が今までとまったく違うため、新しい環境(学習・生活・人間関係)になじめないことから不登校となったり、いじめが急増したりするなどいろいろな問題が出てくる現象

 

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