挨拶やうなずき、日々の何気ないコミュニケーションの卵が、
我々の人生に与える影響は人生を変えうる。
とてつもなく勉強ができてお金がうなるほどあっても、
家族、もしくは友人と呼べる存在がいない人生に私は魅力を感じない。
まったくお金がなくても、大切な家族や友人がいる人生は尊いと思う。
自ら選び取った孤独であればそれはその人の理想だが、
意図せずして陥った孤独にならいために、中学生からできること。
それは学校の勉強よりも大切なことではないか。
先日、生徒たちにこんな話をした。
塾で個別に採点をした際やプリントを配布した時に、
生徒の取る行動と私の心の中の反応。
1.生徒→笑顔で「ありがとう」
私の感想→こちらこそ「ありがとう」をありがとう!
2.生徒→笑顔で会釈(あたまを下げる)
私の感想→はーい。どうぞ
3生徒→無言&動きなし
私の感想→俺はロボットかい?ここに存在しているぜ!!!おーい!どした?
吾輩を敬うのじゃ!敬意が足りぬ!という話では全くない。
プリントを配られた際の行動のような、
日々のほんの些細な行動が周りの目から見た『あなた』を構成していく。
12才なら12年間の、15歳なら15年間のほんの些細な行動が、
周りから見た今のあなたを創り上げている。
それは自分で意図した行動なのか、意図せずした行動なのか。
意図して、私や他の人に「こいつには無反応でいこう!」と決めているのなら、
それはそれで正解だと思う。自分の人生なのだから。
しかし、無意識に、他人に対して無反応であるのでればもったいない。
丸付けをしてもらった、プリントをもらった、落ちた消しゴムを拾ってもらった、
帰りがけに「さよなら」と言われた、等々。
例えばそんな場面で、あなたはどんな行動を取る人になりたいか。
こんな話をした後の帰り際は、皆がいつもの倍以上の声で明るい笑顔で
「さよーならー」と帰っていった。
そんな話をした後。
10年以上ぶりに伊集院静の本を読みたくなり、数年前に出た本をamazonで購入。
最近は専ら形態のkindleアプリで読むことが多い。
なぎさホテル (小学館文庫) | 静, 伊集院 |本 | 通販 | Amazon
離婚し会社も辞め、東京から故郷の山口に帰ろうとした主人公。
駅でふと逗子(神奈川県の地名)の文字に惹かれた男は、そのまま電車で向かう。
逗子の砂浜で1人缶ビールを飲んでいると、
「昼間から海を見て飲むビールはうまいでしょう。」と老人に声をかけられる。
「若いのがすみません。」と答え、会話が始まる。
その老人は浜辺のホテルの支配人だった。
結果的に無職の主人公はこのホテルに7年住むことになる。お金を支払わずに。
この7年でベストセラー小説を完成させ、当時の有名女優と恋愛をし、
後半生の礎を築いた。
これが伊集院静の自伝的小説であり、ほぼ事実ということに驚いた。
究極のコミュニケーション能力なのか、人柄なのか、相性なのか、その全てか。
まだ読み終わっていないが、生きていくための学びがここにはある。